サラリーマンの方は毎月支給される給料明細書を見れば所得税と住民税が控除されているのが分かると思いますが、
住民税が控除されるのは特別徴収という制度があるからなのです。


■給与支払者に特別徴収義務

給与を支払う事業者は住民税の特別徴収義務があるため、
原則として前年中に給与の支払いがある従業員が4月1日現在も在籍して給与の支給を受けている場合、
特別徴収をして従業員に変わって住民税を従業員の住所の所在地の市区町村ごとに納付しなければなりません。

■特別徴収の流れ

事業者は勤務する従業員に給与を支払った場合、
その従業員の住所・氏名・給与支給総額・扶養親族の有無などを記載した「給与支払報告書」を
毎年1月31日までに各市町村に提出することになります。
この給与支払報告書を元に各市町村は今年度の住民税を個人別に計算して、
事業主に5月31日までに通知することとなります。
通知を受けた事業主は、従業員に住民税の通知書を渡し、
6月から翌年の5月までの給与の支払い金額から住民税の特別徴収を行い、
給与の支払日の翌月10日までに納付することになります。

■普通徴収の選択

サラリーマンの方は有無も言わさず、所得税にしろ住民税にしろ給与から税金を差し引かれることになりますが、
給与所得以外に所得があり確定申告をされている方も多数います。
給与については特別徴収はされるのですが、給与以外の所得については選択制になっているので、
確定申告時に給与以外の所得に対する住民税は「普通徴収を希望する」と表示すれば、
給与以外の所得に対する住民税は普通徴収となります。
会社に給与以外の所得があることを知られたくないという方もいますので、
そういった方は確定申告の際に普通徴収を選択するようですが、
念のため市町村に事業者に分からないように通知されるのか確認しておく必要があるでしょう。
副業収入が給与の場合は、全額が特別徴収の対象になるので
事業者は副業していることに気づくケースが多いようですが、
市区町村によっては副業分を普通徴収扱いにしてくれる場合もあるようです。